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介護保険改定で要望

平成 21年 3月 12日
厚生労働大臣舛添要一殿

【要望書】
「平成 21年度介護報酬改定」および「要介護認定システム」変更について

介護保険を持続・発展させる1000万人の輪

共同代表

樋口恵子
白澤政和
高見国生

Ⅰ平成 21年度介護報酬改定について
今回の介護報酬3%引き上げは、これまでの2回のマイナス改定後、初のプラス改定であり、
改定の柱の一つが、介護保険サービスの充実と質の向上を図る介護人材の確保と、介護従事者

の処遇改善に重点がおかれていたことについては一定の評価ができる。

しかし、この改定により利用者が受ける介護サービスの充実と、事業の活性化による介護職

員の処遇改善が行われなければ、介護報酬に税による予算を投入した国民の期待が損なわれる

ものとなる。

私たちは今回の改定について、介護保険を持続・発展させる立場から、次のとおり見解を表
明するものである。

●3%の改定幅では、これまで2回のマイナス改定による損益の補填にしかならず、しか
も改定内容は加算(新加算は40種)が中心であり、全体的な底上げとはなっていない
ことから、介護従事者の賃金引上げに反映される保証がないことが危惧される。
●また、改定のたびに介護報酬が複雑になり、利用者・家族、サービス提供者にもわか
りにくい仕組みになっていることから、介護報酬体系を見直し、シンプルで透明性のあ
る報酬の仕組みにすべきである。
1.「人材確保・処遇改善」を謳いながらも、加算取得には様々な要件があり、これでは介
護従事者の処遇改善に反映される保証はないこと。
2.「地域区分」の報酬単価の上乗せ割合の見直しをしたが、訪問介護では一定の改善が見
込まれるが、グループホーム等では逆に都市部で減収になっているなど、大義との不整合
があること。
3.報酬アップに伴った支給限度額の引き上げがなかったため、利用者にとっては単価が上
がれば受けられるサービスが減る、または利用料の負担増で利用抑制という状況が危惧さ
れること。
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4.認知症については、重点柱のひとつとして全体的に配慮され、新しい評価もいくつかみ
られたが、中・重度への配慮がある一方で、軽度への対応が十分に行われていないこと。
5.加算要件の見直しと新たな加算が設けられたことによって、書類作成や事務に係る負担
が増え、過重な労働が発生する恐れがある。介護従事者の負担を軽減し定着を図るために
も、事務手続きや書類の簡素化の検討を再度行うべきである。
6.給付費分科会の議論が「財源論」と「最初に3%ありき」の配分に終始したかのように
見られ、24時間365日の在宅ケアを強化する基本的な議論や将来的議論がされず、今
後に大きな課題を残していること。
7.介護従事者のなお一層の処遇改善に結びつけるためには、全体的な基本報酬の引き上げ
を早急に検討すべきである。
Ⅱ「要介護認定システム」変更について

●21年4月から変更される要介護認定の仕組みについては、多くの要介護高齢者がサー
ビス給付から外されるという危惧がある。変更については充分な国民への説明責任をま
ず果たされ、国民が納得しうるまで一旦、凍結するよう求める。
●次回、制度改正の際には、介護保険を国民にわかりやすい仕組みにするために、認定
方法の再検討と、家族同居の有無や介護力にかかわらず本人の状態により個人単位で自
立支援のサービスが受けられるよう、認定のしくみや、認定のスピード化と透明性を図
られたい。
1.厚生労働省資料によれば、モデル事業では現行ソフトと新ソフトを使った 1次判定結果
の一致率は 57.6%であり、軽度に下がったものが 19.8%、重度に判定されたものが 22.6%、
2次判定でも一致率は 63.2%であり、軽度化は 20.1%、重度化は 16.7%とされているが、
この結果、新ソフトの妥当性、信頼性はどのように検証されているのかについて、国民へ
の説明が必要であり、情報を公開すべきである。
2.認定にかかわる「調査員テキスト」の「介護の判断基準」は今回、大きく変更され、3つの
評価軸として「能力」「介助」「有無」のどれかを利用するとされている。しかしこれが、
「介護の手間にかかる時間」を正確に反映するものになっているかという疑問も出されて
いる。また、認知症が正しく反映されず、人間本来の尊厳を否定するような文言の部分も
多いという現場の声もある。これらを見直すこともふくめ、新ソフトの4月からの使用を
いったん凍結されたい。
3.新しい基準で認定が難しくなったり、新しい判断基準で軽度認定に拍車がかかれば、サ
ービス利用への抑制がかかり、介護保険が本来有している利用者の権利性の発揮が損なわ
れることになる。
2


Ⅲ今後の活動計画:【3つのビジョン、5つ星の行動目標】

「介護保険を持続・発展させる1000万人の輪」では、市民・利用者 /家族・事業

者・介護従事者・学識経験者・行政担当者などが一体となって、介護保険をよくす

るために、介護を社会の柱に据えるために、【3つのビジョンと5つ星の行動目標】

を持って活動を展開していく所存である。

多くの皆様がこの活動に参加し、ともに行動していただけることを期待している。

介護保険をよくするために

介護を社会の柱に据えるために

3つのビジョン5つ星の行動目標

3つのビジョン

5つ星の行動目標

1.わかりやすくシンプルな制度に
利用者である高齢者が理解し、自ら選択できる制度に。現状は複雑すぎます。

2.利用者・市民の声が反映できる仕組みを明確に
1.
介護保険は人生 100年のセーフティネット。機能強化をすすめよう。
2.
介護保険から始めよう、地方分権・参画型デモクラシー
3.
地球まるごと高齢化時代。人間の命を守る介護の質を高め超高齢国日本から世
界に発信しよう。
「1000万人の輪」では現場の声をもとに研究をすすめ提言します。当事者の思い
がつねに伝わり、反映できる制度を求めます。

3.ひとりぐらし、低所得者、老老、認認介護の増加。利用者側の変化に
応じた切れ目ないサービス提供と費用負担
日本の人口構造・世帯構造は急変しています。変化に対応したサービスと費用負担
のあり方が必要です。介護格差をひろげてはなりません。

4.良質な介護人材の確保と介護職の地位向上、専門職間の連携強化
介護はあくまでも人間が人間に対する営みです。介護する人が幸せでなければ介護
される人も幸せにはなりません。

5.介護を軸とした新しい地域の創生
自助・協助・公助、医療と福祉の連携、企業の協力、学校などの社会資源を活用し、
世代間交流をすすめ、あらゆる世代のしあわせを支える地域ルネッサンス。

3

 

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