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介護報酬改善したという欺瞞

「介護分野に現代版ニューディール政策を本当に機能させるために」(『世界』2009.5)で

結城康博淑徳大学准教授は介護保険と人材確保の現状について次のように結論付けています。

「介護分野における雇用政策は、「景気の波」に翻弄され、厚労省による短期的な政策に振り回されているといっても過言ではない」

人材は不況になれば、福祉分野にも少しは流れてくるが、景気が好転すればほとんどこない。それは、介護分野は成長産業だとして打ち出しておいて、たくさんの専門学校も誕生した。しかし、低賃金施策がとられて敬遠された。今度は、不況だから受け皿にとするが本当に人材を育成するという意図はない。既に2000年以降、5%以上の削減をして、今回3%もしたというが、すべて加算方式。基本額は増えていない。資格者を増やしたりしないと加算されない。この方式はいつでも加算方式だからやめられるという厚生労働省のメリットがあり、社会には改善したというメッセージを送られるという都合のいいものになっています。メディアはそれを流すだけの力しかありません。

結城氏の調査結果では

「介護保険の従事者たちは、今回の報酬引き上げについてはかなり「冷めた」見方をしている。「月給はどのくらい引き上がると思うか」尋ねたところ、1万円以上と答えたのは2.5%にとどまり、3000 円以上1万円未満が8.0%、3000 円未満は12.7%だった。「賃上げは期待できず、○ 円かもしくは引き下がるが48.9%を占め、25.3%は「わからない」との回答であった。また、国の姿勢を評価したのは11.5%にとどまり、「十分ではない」「まったく不十分」の合計が約九割(八七・五%)に上り、月給べースでの引き上げに関してはかなり悲観的であった。自由意見でも「3%引き上げでは足りない」といった意見が多く寄せられた。他の自由意見では、「改定で報酬が変わるが、結果的に経営者の儲け、あるいは赤字補填としての穴埋めになるという心配が生じる。現場の人間として、国がどれだけ赤字であろうと国と介護現場とは差がありすぎる。厚生省の考えがわからない点が多々 ある」 「行政も国民に説明すべきではないか。『加算』 を取るため、3年ごとにパソコンのバージョンアップもして、紙も増えてどこが儲かっているのか?」「結局は何も施設にメリットがない」「グチになるが『加算』を取ろうとすれば有資格者や職員を増やすようになり、人件費が増える。結果、給与は上げられず、介護の質が向上するようにはならない」のように、かなり不満の声が多かった。」

さらに

「現在の介護分野に労働者を移転させる政策は、単に資格を取得させる(補助金を出す)、もしくは就労相談事業を行うだけであり、労働者を移転させた後、長期的に仕事を持続させる施策は実施されていない」

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同感です。

多くの人が介護保険が改善されたと思い込んでいます。メディアの責任は大きいです。先日、朝日新聞に介護施設の評価の仕組みがほとんど利用されていないのに、施設の負担が大きいことの提起がされていました。このシステムを導入して得したのは誰かが書いてなかった。こうしたシステムばかりにお金をかけて人件費にまわさない制度についてほとんどメスが入っていません。

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